羊水過少症とは?羊水が少ないとどうなる?治療方法は?
羊水はママのお腹の中で赤ちゃんがすくすく育つために欠かせないものです。この羊水が特に少なくなると「羊水過少症」と診断されます。羊水が少なくなるとどんな影響があるのか、原因や治療方法はあるのかなど、羊水過少症についてご紹介していきます。
羊水過少症って?
羊水は、妊娠10週で約30ml、妊娠20週で約350ml、妊娠30週ごろには約800mlと妊娠週数の経過とともに増加していきます。その後、出産が近づくにつれ徐々に羊水の量は減少していきます。
しかし、この羊水が通常よりも少ないと「羊水過少症」と診断されます。羊水過少症は妊婦さんの1~2%が発症すると言われています。
羊水過少症の症状
子宮にいる赤ちゃんを取り囲む羊水が少ないと、体重があまり増えなかったり、お腹の大きさが通常より小さくなったりする場合があります。
また、羊水が少ないことで臍帯が圧迫されて胎児機能不全(赤ちゃんに栄養が行き渡らず苦しい兆候がある状態)になることもあります。臍帯圧迫が長時間続くと、赤ちゃんの動きが制限されてしまい、手足が変形したり肺が正常に機能せず生まれた後に呼吸障害を引き起こしたりすることがあります。
重い羊水過少症と診断された場合には、赤ちゃんの命にかかわる可能性もあるので、医師の指示に従い経過観察をしましょう。
羊水過少症の原因
羊水過少症は、母体側か胎児側に原因があります。具体的な原因としては下記のようなものがあります。
・前期破水
・赤ちゃんのおしっこの量が減る
・非ステロイド系の消炎鎮痛薬の影響
・胎盤機能不全
羊水過少症の約半数は前期破水が原因とされています。
また赤ちゃんのおしっこが減る原因としては妊娠高血圧症候群や胎児発育不全により、赤ちゃんが低酸素環境におかれ、血流が腎臓まで行き渡りにくくなるからです。
治療方法は?
羊水過少症は根本的な治療がなく、経過観察をしながら原因に応じて対応策が講じられます。
例えば前期破水が原因の場合、妊娠週数に応じて抗菌薬を投与したり、誘発分娩や帝王切開を検討したりします。
それ以外の原因の場合は慎重に経過観察を行い、赤ちゃんが成熟するのを待って出産に向けて準備します。主に羊水の量や赤ちゃんのストレス状況などから出産のタイミングを検討します。
さいごに
羊水過少症はほとんど自覚症状がないため、妊婦健診で診断されることになります。
健診で羊水過少症と診断されたとしても、決して焦らず、医師の指示を仰ぎましょう。家族と協力して、無事出産できるよう原因に合わせた対策を行うことが大切です。
羊水過少症でも無事に元気な赤ちゃんを出産した方は多くいます。日頃から健康的な食生活や適度な運動を心がけましょう。
赤ちゃんを圧迫してしまわないように普段の洋服や行動に気をつけるのもいいですね。