妊娠中に不正出血。危険?原因は?
妊娠すると少しの体調の変化にも敏感になりやすいものです。もし突然出血してしまったら不安に感じてしまいますよね。不正出血には様々な原因がありますが、妊娠中の不正出血は、時期や原因によっては危険なサインである場合があります。今回はそんな不正出血の原因についてご説明します。
不正出血って?
不正出血とは、月経以外の原因で起こる性器出血のことで、妊娠中に出血があれば不正出血ということになります。
妊娠中は血液量が増えているため、病気とは関係なく何かの刺激が原因で出血してしまうこともあります。妊婦さんなら耳にしたことがある方も多いかもしれませんが、妊娠初期に起こる「着床出血」などもそのひとつです。
ただし、病気などの体内トラブルが原因となって出血している可能性もあるため、不正出血を確認した場合には医師に相談するようにしましょう。
不正出血の原因は?
出血した時期によって原因は様々です。ここからは、時期ごとに考えられる不正出血の原因をご説明します。
●妊娠初期
・排卵出血、着床出血
妊娠した直後に起こる不正出血です。名前のとおり、排卵するときや、子宮内膜に受精卵が着床したときに出血している状態で、特に問題はありません。
・子宮外妊娠
受精卵が本来着床する子宮内膜ではない場所に着床してしまった状態です。特に多い例では卵管妊娠というものがあります。この状態で放置すると受精卵の成長とともに出血や下腹部の痛みを伴い、卵管破裂を起こす危険性もあるため、すぐに処置が必要になります。
・流産
妊娠したものの、初期の段階で赤ちゃんが亡くなってしまうことを流産といい、妊娠の約15%が流産であるとされています。
●妊娠中期
・前置胎盤
胎盤が子宮口の近くにあったり、子宮口を塞いでしまったりしていると出血がみられることがあります。
・常位胎盤早期剥離
胎盤が子宮壁から剥がれてしまい、赤ちゃんに十分な栄養や酸素が届かなくなってしまう状態です。症状は様々ですが、不正出血の他に、母体の血液が固まりにくくなったり、激しい下腹部の痛みに襲われたりする場合もあり、母体と赤ちゃんの命に関わることもあります。
●妊娠後期
・切迫早産
切迫早産とは、早産になりかかっている状態のことです。下腹部の張りや痛みを伴う出血があった場合は切迫早産の可能性があります。すぐに医師に相談することをおすすめします。
・子宮膣部びらん
子宮頸部の入り口付近の粘膜が充血して赤くただれたようになる状態のことです。赤ちゃんが大きくなることで圧迫されて起こる出血で病気ではありません。内診やセックスなど物理的な刺激を受けて出血することもありますが、出血量はわずかなものです。
もしもトラブルが起きていたら
不正出血があり医師に相談すると、内診や超音波検査などを行って原因を突き止めます。
早産や前置胎盤の可能性がある場合は、赤ちゃんを長くお腹の中で育てるために自宅か病院で安静に過ごすことになるでしょう。
常位胎盤早期剥離のように緊急を要する場合は帝王切開になる可能性もあります。
さいごに
不正出血が起こる原因は様々です。特に気にしなくていい場合もありますが、病気のサインである可能性も考えて、医師に相談することをおすすめします。
日頃から体調の変化には注意して、異変を感じたときは医師の判断を仰ぎましょう。 家族や医師と協力しながら、安心してマタニティライフを過ごしてくださいね。